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MML to DAW via MIDI 2.0: 次世代MMLコンパイラ開発研究

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DAWで本格的に打ち込めるような音楽をMMLでもできるようにしたい、という思いから、MMLをMIDI 2.0の楽曲データに変換して、それをDAW(今回はTracktion)の楽曲データに変換するようなMMLコンパイラ・DAWプロジェクトビルダーを開発していたので、その経験をもとに、MMLからMIDI 2.0の楽曲データを作るコンパイラとはどういうものか、オーディオプラグインはどのように扱えるのか、MIDI 2.0で作成した音楽をDAW用のフォーマットにエクスポートするとき楽曲データには何を含められるのか、といった話題をまとめています。 以下「はじめに」より: ---- MMLはチップチューンだけのものじゃない。 本格的な管弦楽曲もMMLから打ち込みたい。 モダンなオーディオプラグインもMMLでプログラマブルに操作しながら音楽を打ち込みたい。 筆者はMMLフリーク、あるいはテキストで音楽を表現したい技術者の一人として、こんな思いをずっとかかえてきました。 棲み分けも大きく、どっぷり独自文化に浸からないと使い倒せないDAWという巨大な怪物たちに、何をすれば立ち向かえるのか。なぜMMLでは本格的な音楽の打ち込みの場面で戦えなくなったのか。何を実現すればテキストで本格的な音楽が作れるようになるのか。そんなことを主に考えながら、MML to MIDIコンパイラを作り、MMLからMIDIイベントを送信できるMIDI入力アプリを作り、オーディオプラグインの仕組みを勉強し、DAWで何ができて、またDAWがどうやって出来ているのかを調べてきました。そして、MMLでも割と出来ることが見えてきたように思っています。 2020年にはMIDI 2.0仕様も公開され、MIDI 1.0では表現できなかったことをいくつか表現できるようになりました。MIDI 2.0の形式で打ち込んだ音楽情報を処理することで、各種DAWがオーディオプラグインで実現できている機能が、いくつか実現できるようになりました。 本書で研究の成果として扱うaugeneというMMLコンパイラ…を組み込んだDAW用楽曲のビルドツール…は、MMLからMIDI 2.0の楽曲に変換するコンパイラーを組み込み、MIDI 2.0の楽曲とオーディオプラグインの設定情報を組み合わせて、われわれがDAWを使用して打ち込んでいる音楽…のうちオーディオトラックでない部分…を実現するものです。単にオーディオプラグインにMIDI 1.0レベルのメッセージを処理させるだけではなく、MIDI 2.0で拡張されたノート別ピッチベンドなどの新機能や、オートメーション可能なプラグインパラメーターの操作なども実現しています。 augeneはまだ一般ユーザー向けに幅広く使ってもらえるクオリティではありませんが、自分で楽曲を打ち込んでみて、技術的な可能性を広げられた手応えはあったので、どのような機能を実現して、どのような課題があったのか、ひとつの研究プロジェクトとしてまとめておこう、という目的で本書が完成しました。 この本の対象読者 この本は、augeneというMMLコンパイラ・ビルドツールについてまとめたものですが、ユーザー向けガイドというわけではなく、主にモダンな音楽制作環境をMMLコンパイラ・ツールで実現するための技術的な課題などを、augeneというツール個別の事情からはできるだけ距離を置きつつまとめたものです。 その意味で、本書は「MMLのようなテキスト表現からMIDI 2.0の範囲でモダンな音楽表現の何を実現できるのか」「MIDIの楽曲データに加えて何を付加すればDAWの楽曲データになるのか」といった、音楽表現について技術的な興味のある読者が対象です。基本的にはプログラマー向けに書かれており、ソフトウェア開発で用いられる専門用語が説明なしで出現します。

DAWで本格的に打ち込めるような音楽をMMLでもできるようにしたい、という思いから、MMLをMIDI 2.0の楽曲データに変換して、それをDAW(今回はTracktion)の楽曲データに変換するようなMMLコンパイラ・DAWプロジェクトビルダーを開発していたので、その経験をもとに、MMLからMIDI 2.0の楽曲データを作るコンパイラとはどういうものか、オーディオプラグインはどのように扱えるのか、MIDI 2.0で作成した音楽をDAW用のフォーマットにエクスポートするとき楽曲データには何を含められるのか、といった話題をまとめています。 以下「はじめに」より: ---- MMLはチップチューンだけのものじゃない。 本格的な管弦楽曲もMMLから打ち込みたい。 モダンなオーディオプラグインもMMLでプログラマブルに操作しながら音楽を打ち込みたい。 筆者はMMLフリーク、あるいはテキストで音楽を表現したい技術者の一人として、こんな思いをずっとかかえてきました。 棲み分けも大きく、どっぷり独自文化に浸からないと使い倒せないDAWという巨大な怪物たちに、何をすれば立ち向かえるのか。なぜMMLでは本格的な音楽の打ち込みの場面で戦えなくなったのか。何を実現すればテキストで本格的な音楽が作れるようになるのか。そんなことを主に考えながら、MML to MIDIコンパイラを作り、MMLからMIDIイベントを送信できるMIDI入力アプリを作り、オーディオプラグインの仕組みを勉強し、DAWで何ができて、またDAWがどうやって出来ているのかを調べてきました。そして、MMLでも割と出来ることが見えてきたように思っています。 2020年にはMIDI 2.0仕様も公開され、MIDI 1.0では表現できなかったことをいくつか表現できるようになりました。MIDI 2.0の形式で打ち込んだ音楽情報を処理することで、各種DAWがオーディオプラグインで実現できている機能が、いくつか実現できるようになりました。 本書で研究の成果として扱うaugeneというMMLコンパイラ…を組み込んだDAW用楽曲のビルドツール…は、MMLからMIDI 2.0の楽曲に変換するコンパイラーを組み込み、MIDI 2.0の楽曲とオーディオプラグインの設定情報を組み合わせて、われわれがDAWを使用して打ち込んでいる音楽…のうちオーディオトラックでない部分…を実現するものです。単にオーディオプラグインにMIDI 1.0レベルのメッセージを処理させるだけではなく、MIDI 2.0で拡張されたノート別ピッチベンドなどの新機能や、オートメーション可能なプラグインパラメーターの操作なども実現しています。 augeneはまだ一般ユーザー向けに幅広く使ってもらえるクオリティではありませんが、自分で楽曲を打ち込んでみて、技術的な可能性を広げられた手応えはあったので、どのような機能を実現して、どのような課題があったのか、ひとつの研究プロジェクトとしてまとめておこう、という目的で本書が完成しました。 この本の対象読者 この本は、augeneというMMLコンパイラ・ビルドツールについてまとめたものですが、ユーザー向けガイドというわけではなく、主にモダンな音楽制作環境をMMLコンパイラ・ツールで実現するための技術的な課題などを、augeneというツール個別の事情からはできるだけ距離を置きつつまとめたものです。 その意味で、本書は「MMLのようなテキスト表現からMIDI 2.0の範囲でモダンな音楽表現の何を実現できるのか」「MIDIの楽曲データに加えて何を付加すればDAWの楽曲データになるのか」といった、音楽表現について技術的な興味のある読者が対象です。基本的にはプログラマー向けに書かれており、ソフトウェア開発で用いられる専門用語が説明なしで出現します。